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好きにならずにいられない2024
ご観劇いただきありがとうございました。
様々な男女のたった45分の物語。いかがだったでしょうか??
彼らの「出逢いの瞬間」が皆様の心に焼きついたならば、それほど嬉しいことはありません。
本作品は時間が遡っていく特殊な形・構成で「出逢い」を紡ぐ物語のため、観終わったあとに実際の時系列ではどうだったのだろう?と思う事も多いかと思います。
このおまけページでは、それぞれのエピソードを時系列順に並べてみました。それぞれの物語を思い出しながら、彼らの物語の余韻に浸っていただけたら幸いです。

「episode 1 追う男、向かう男、書く女」

4:15
田伏はりゅうを連れてサービスエリアのドッグランへ散歩に来ていた。
りゅうは発見した梨田の方へ行こうと、強引に田伏をひっぱり、互いに行きたい方向がまるで噛み合っていない。その時、慣れない運転をしていた相羽の車が2人へ向かってきて、田伏とりゅうは車に轢かれかける。

4:18
相羽が車で轢きかけた田伏へ駆け寄る。腰を抜かし立てなくなっている田伏、相羽が田伏を立たせるため、手を貸し、2人は触れ合うことに。田伏の時計が壊れていることに気づく相羽。田伏は「気にしないで。4時15分、ほら、運命的な瞬間で止まっている」と気づかう。その時、田伏はりゅうが自分のもとから逃げ出した事に気づく。

4:22
田伏と共にりゅうの捜索を手伝うことにした相羽、ラジオ特設ブースが気になる。田伏はその特設ブースに元恋人の梨田がイベントで来ている事を知る。

4:30
りゅうはなかなか見つからない。どんな脚本を書いているのかを尋ねる田伏。相羽は、その場で「消えたバスの物語」を話し出す。その相羽の物語と感性に田伏は惹かれ出す。

4:52
探しても探してもりゅうが見つからず疲れ果てる田伏と相羽。相羽はサービスエリアで「出会うはずのない物語」のアイデアが思い浮かぶ。しかし田伏は「物語って出会ってから始まるものだよ」とあまり良い反応を見せない。その時、りゅうが「逃げた」のではなく「向かっていった」のでは?と相羽は思いつく。2人はラジオブースの方へ再び向い出す。

4:57
ラジオブース近くのドッグランで、縄で縛られたりゅうを発見した田伏と相羽。りゅうは全く悪びれていない。田伏は結ばれた縄の結び方で、りゅうが梨田と出逢ったことを知る。田伏は相羽の閃いた「出会うはずのない物語」の良さに、その時気づく。

5:00
田伏と相羽はなんでもない出逢いの大切さを感じ、共に微笑む。りゅうは全く話についていけず、縛られたままの縄をほどけと文句を言い続ける。

「episode 2 運命の出逢い」

4:15
公開生放送イベントのためにサービスエリアの特設ブースに来ているラジオパーソナリティの梨田。しかし梨田はいつもの調子ではなく、アドリブを入れずにリハーサルを行う。その様子を訝しむディレクターの小沼。

4:18
リハーサルを終えた梨田は、今日の放送のテーマである「運命の出逢い」について考えていた。「別れの方がよっぽど運命的だよね」という梨田。様子のおかしい梨田へ小沼が何かあったかたずねる。梨田はこのサービスエリアが思い出の地だと小沼へ言う。その大事な思い出の相手は「元恋人」ではなく、「犬」。

4:22
フードコートで放送前にさっと食事をとろうとする梨田。小沼が今日のメッセージ(運命の出逢いのエピソード)を梨田へ見せる。梨田はトラック運転手と売春婦の話がいいと言うが、小沼はコンプライアンス的にNGだという。納得のいかない梨田。

4:30
小沼が本社の総括プロデューサーへ電話をかけるも、やはりトラック運転手のエピソードはNGだと言われる。梨田は小沼へ、さらに今日の放送で同じ曲をずっとかけたいと提案する。小沼は難色を示すも、梨田はひかない。結局、小沼は再び総括プロデューサーへ電話をかけることに。ふと一人きりになった梨田のもとへ、りゅうが現れる。

4:52
りゅうを安全な場所であるドッグランへ連れてきた梨田。りゅうと梨田の会話は噛み合っているようで噛み合っていない。けれど、運命の出逢い(再会)をりゅうと果たした梨田は、ちゃんと自分の気持ちを伝え、そしてちゃんとさよならを言う。さよならに納得のいかないりゅうは、そのままドッグランに縛り付けられる。

4:57
本番3分前。全く現れない梨田に焦っている小沼。やっと現れた梨田は、はつらつとした表情。小沼は何をしていたか聞く。梨田は「また出会えたの」と小沼へ笑顔で伝える。

5:00
本番開始。いつもの調子でアドリブを加えながら、最高のラジオを放送する梨田。小沼はその梨田を嬉しそうに眺める。

「episode 3 大切な場所」

4:15
理子をサービスエリアへ連れてきた塁。塁は理子へ「ここがどこだかわかる?」と聞く。理子は「わたしたちが出会った場所」と答える。2人はその時の様子を思い出しながら語る。

4:18
理子はサービスエリアに連れてきた塁の目的を察し、あまり良い顔を見せない。想定した反応と違った事に塁は焦る。もうすぐ夕暮れが近づいている。理子がふと「このくらいの時間だったよね?」と塁へ聞く。塁は嬉しそうに「そう。4時15分」と答える。理子が「あと何分?」と聞くと、塁はちょっと困った様子で「あと・・・3分前」と伝える。「すぎてるじゃん」という理子へ、塁は「ちょっと駆け足でいけば戻れる時間だ」と言う。

4:30
ドッグランに来た塁と理子。夕焼けで空がオレンジ色になっている。理子はその空を見つめ、余命いくばくかの時間を塁と共に過ごすべきか苦しみ、彼に別れを告げようとする。しかしその一瞬手前、塁が理子へ「喉かわかないか?」と言い、スターバックスを買ってくるよと伝える。買いにいこうとする塁へ理子は「戻ってこなくてもいいよ」と言う。塁は「バカを言うな」と口にし、その場をあとにする。我慢していた咳が溢れ出る理子。

4:52
コーヒーを買ってきた塁。理子は塁と共にコーヒーを飲む。自分の性格が悪くなったか聞く理子。理子は昔一緒に観た映画「最高の人生のみつけかた」の話を塁へする。理子は塁へ「死ぬまでにやりたいことは?」と聞く。塁は、理子へ「君とずっと一緒にいたい」と告白する。「もう叶わないよ」という理子へ、塁は「それがきっと最高の人生だと思う」と伝える。

4:57
サービスエリアから再び出発しようとしている塁と理子。次はどこ?という理子。最新機器が勢揃いの場所、という塁。それ病院でしょ、いやよと言う理子の表情は、けれどサービスエリアへたどりついた時よりもずっと明るい。理子は「時間が戻ればいいのに」と言う。塁が「もし、本当に戻れるとしたらどこに戻りたい?」と聞く。

5:00
理子は病気になる前、と答える。塁は「どうせなら、もう少し戻らないか」と理子へ返す。そして塁は「2人が出逢った頃に」と笑顔でいう。

「episode 4 トラックの中でxxx」

4:15
渋滞から逃れ、サービスエリアで休憩をしているトラック運転手の藤岡。突然車内へ入ってきたりょうこ。藤岡は驚き「なに?」と聞く。りょうこは藤岡へ売春を持ちかけるも、藤岡は最低だなとりょうこへいう。

4:18
なかなか降りないりょうこ。エンジンをかけ、もう出発すると藤岡は告げるも渋滞情報が流れる。りょうこは無理やりおろそうとしない藤岡へ興味を持ち、この助手席いくら?とお金を出し始める。そこへ突然犬が1匹走ってきて止まる。犬は2人へキャンキャン吠え、そして去っていく。高速道路で犬が単独でいる事に驚く2人。追いかける?と藤岡に言うりょうこ。まさか、と返す藤岡。りょうこは5千円を渡し、じゃあ30分ね、と助手席の時間を買う。

4:22
助手席を買ったりょうこは何分も何も喋らず、ずっと沈黙が続いていた。しびれをきらした藤岡がりょうこへ話しかける。りょうこは藤岡へ助手席からの景色が好きだと言う。藤岡もまた、運転席からの景色が好きだと言う。はからずも同じ感性の相手と出会ってしまった2人。りょうこが売春は嫌い?と聞くと、藤岡はそういうわけじゃないけど離婚してからEDだから物理的に無理だと返す。じゃあキスは?というりょうこ。急な提案に焦る藤岡。2人は再び沈黙し、やがて再びしびれをきらした藤岡の唇がりょうこの唇へ近づいてゆく。

4:30
キスをした2人。りょうこが藤岡へ好きになったら困るから、普段はキスをしないんだ、と言う。藤岡は5千円をりょうこへ何度も渡そうとする。しかしりょうこはそれを受け取らない。どうして?と聞く藤岡へ、りょうこは「だってお金を渡そうとしたってことは、君もドキドキしたってことでしょ」と喜ぶ。そしてりょうこは「2度目のキスをしよう」と言う。藤岡はもう断ることなどできないほどドキドキしていた。その藤岡へりょうこは「君はもうわたしの術中にはまってる。だから、きっと今日は最後までできる」と微笑む。

4:52
数年ぶりに肉体関係を女性をもった藤岡は腑抜けた顔をしている。その様子を楽しむりょうこ。りょうこが座席に置いてある小説に気づく。どんな話かを藤岡へたずねる。藤岡はコンビニ店員と充電器を探す女の子の物語だと言う。そして、好きなシーンであるトイレのシーンをりょうこへ語り出す。2人はまるで恋人同士のような時間を過ごす。

4:57
藤岡がエンジンをかける。りょうこは、出会えてよかったと藤岡へ言う。けれどわたしが助手席からいなくなったらお互い顔を思い出せなくなる、そういう呪いがかけられてると告げるりょうこ。呪いを解くにはどうすればいいという藤岡。りょうこは番号を交換するとか?と言いながらも、交換をせず助手席から出ようとする。

5:00
番号は?とりょうこを呼び止める藤岡。りょうこは大丈夫、きっとまた会えるよと言う。わたしは、君のナンバープレートの番号をちゃんと覚えたからと去っていくりょうこ。藤岡は、奇跡的な時間を感じながら、再び車を出発させる。

「episode 5 コンビニ店員と充電女」

4:15
コンビニでバイトをしている柏木。品出しをしているところへ美菜が慌てた様子で現れる。充電器どこですか?という美菜へ、売り切れですと告げる柏木。困りますという美菜。困られても困ります、と返す柏木。

4:18
あまりにも焦った様子で店を飛び出した美菜が気になり。ちょうど休憩時間になったこともあり、美菜を追いかけ呼び止める柏木。柏木は美菜へ自分の充電器を貸してあげようとする。しかし、柏木の持っていたケーブルはライトニングケーブルで、美菜の持つアンドロイドには使えない。おろおろとしている美菜へ、急いでるんでしょ?と聞く柏木。なら急ごう、と柏木は美菜の手を取り、共に充電器を探す旅が始まる。

4:30
サービスエリアの管理事務所からたくさんの落とし物が収納された箱を持ってきた柏木。
柏木と美菜はそれぞれの箱からアンドロイド用の充電ケーブルを探し始める。なんでそんな急いでるの?と聞く柏木。話している間に切れちゃったからと言う美菜。仕事の電話?と聞く柏木に、美菜は答えない。その様子を察して柏木は「じゃあ・・・急がないとだな」と優しく寄り添う。美菜の方の箱には残念ながら充電ケーブルは見つからなかった。そっちはどう?と聞く美菜に、柏木はたぶん見つかると告げる。どうして?と聞く美菜。見つけたいって思ってるからと答える柏木。そして彼の言葉通り、柏木の箱から充電ケーブルは見つかる。

4:52
トイレ前のコンセントで充電をしている美菜。スマホの電源をつけるも、連絡はなにもきていない。泣き出してしまう美菜。なんで泣いていると思う?と聞く美菜。何個目かのやりとり後、彼氏と・・・と言う柏木の言葉に、美菜の泣き声は大きくなる。その様子を見て柏木は、いや違うな・・・充電が切れたから泣いてるんだ、と答えを変える。充電が切れてないてるのわたし?という美菜へ、柏木は、そう、充電が切れたから泣いてる。と再び答え、ただ彼女にそっと寄り添う。休憩時間は終わってしまったことに気づく柏木。柏木はコンビニへと戻っていく。

4:57
コンビニに再び戻った柏木。そこへ現れる美菜。美菜はミニペットボトルを2つ買う。一つを柏木へ渡し、ありがとうという美菜。こちらこそありがとう、という柏木へ、わたし何かした?と美菜は笑う。去っていこうとする美菜を呼び止め、どこから来たの?と聞く柏木へ、美菜は東京と答える。名前は?と聞く柏木。美菜は柏木稔と楽しそうに答える。それ俺の名前だよ、え?なんで?という柏木へ、美菜はレジ担当の名前が明記されたレシートを見せる。

5:00
それで、名前は?と再び聞く柏木。美菜は東京のファミマで何か買えばわかるよと言う。美菜もまた、柏木と同じくコンビニエンスストアのアルバイトであることがわかる。東京のファミマってどんだけあると思うんだよ、と言う柏木。見つけられるかな?と微笑む美菜。見つけようと思うと意外と見つかるんだ、と柏木もまた微笑みを返す。

「episode 6 消えたバスの物語」

4:15
高速バスに乗って東京を目指している祐太と敬太は、トイレ休憩で寄ったサービスエリアでトイレに行っていた。トイレから出てきた2人のもとへ、TOKIOと書かれたボードを持ったカトルーシャがやってくる。呼び止められてついカトルーシャと話しをしてしまう祐太。

4:18
俺たちは無理なんだとカトルーシャへ告げる祐太と敬太。けれどやっと話をきいてくれた2人をカトルーシャは逃さず、どうにかわたしも一緒にバスにのれないか?とお願いをする。席は余ってたし、乗れそうだと思った2人は、カトルーシャも一緒にバスに連れていくことにする。

4:22
しかし探せど探せどバスはない。焦る敬太。やがてバスがないことに気づき発狂した敬太は、その怒りを外国人と話し込んだ祐太へぶつける。祐太は祐太でお前のトイレが長いせいだろ!と怒りをぶつけ、喧嘩が始まろうとするその時、カトルーシャが2人を必死に止める。そして祐太は財布やスマホ、荷物も全部バスへ置いてきた事に気づく。それはまた、敬太も同じく。パニックになりあらゆる感情が溢れ出る敬太、敬太はやがて泣き出してしまう。カトルーシャは困惑しながらも、優しく彼を慰め、「わたしと一緒にいきましか?」と、彼らと共に東京へ行こうと誘う。

4:52
カトルーシャと共に東京へヒッチハイク で向かうことにした祐太と敬太。カトルーシャがどうして東京へ?と祐太へ聞く。祐太と敬太はレストランを開店するために東京へ向かうことを伝える。そして祐太は楽しそうに、東京は危険な街だぞ!気をつけろよ、夢と欲望にまみれたダークシティだ、とカトルーシャへ忠告する。カトルーシャは楽しそうに「でも東京はキーウより全然安全」と返す。キーウ?どこだそれ、と祐太は敬太へ聞く。敬太は祐太へ「ウクライナだ」と静かに告げる。ウクライナから避難してきたと言うカトルーシャ。祐太と敬太は思いもよらぬ事実に押し黙ってしまう。彼女は「ウクライナはバスは先に行かないけど、でも爆破されます」と笑う。それなら、先に行かれるくらいなぁ、とその冗談に乗る祐太。敬太は乗り切れず、いやだめだろほっぽり投げられてるんだぞと返してしまい、再び彼らは一触即発の雰囲気になってしまうも、そばにいるカトルーシャに気づいた2人は、口では罵り合いながらとてもバカバカしい喧嘩をして、彼女を笑わせる。

4:57
トイレ前でヒッチハイク をしようと決めた3人。カトルーシャはおにぎりを祐太と敬太へ渡す。祐太は嬉しそうに、ごちです!とカトルーシャて伝える。ごちですってなんですか?と聞くカトルーシャへ、祐太は「サンキューのすごいやつ」とてきとうに答える。カトルーシャはなんでもありがとうをごちです!と答え祐太を困惑させるも、敬太がそれをありがとうだとちゃんと理解する。

5:00
一台の車が3人の前にとまった。それにいち早く気づいたカトルーシャ。3人は「トーキョー!」と喜びを口にしながら、その車のもとへ駆け寄ってゆく。